村上春樹の作品

『風の歌を聴け』講談社、1979(中編小説)

村上春樹による最初の小説であり村上の最初の出版された小説、および「鼠の三部作」「青春三部作」の第一巻。
この小説は1979年の「僕」によるに1970年と過去(小児期および学生時代)の話、思索や回想の断片で構成されています。この断片は40の章で構成されています。この物語は、1970年8月8日から始まり、8月28日に終わる青春期の退屈な夏の日の記録です。また、「僕」は「僕」の記憶や生活方針、そしてデレク・ハートフィールド(架空の作家)について述べながら「僕」の文学や文章についての思想と方法を語っている。

– 読書ノート

– 人物相関図

– デレク・ハートフィールドとは誰か?

『1973年のピンボール』講談社、1980(中編小説)

– 人物相関図

『スプートニクの恋人』講談社、1999(長編小説)

村上春樹の長編小説としては9作目で、『ノルウェイの森』『国境の南、太陽の西』に続く1999年に出版された恋愛小説の第3作目である。しかし、彼は今まで再び長編の恋愛小説を書くていない。また、この小説は、本当に、真剣に、情熱的に恋愛することができない、実存も現実性もない現代人を描いた、異色の恋愛小説である。

すみれは僕の大切な友達だ。彼女は小説家になるために、大学を2年の時に中退した。そして、週末になると僕のアパートを訪れ、原稿を見せた。僕は彼女を愛しているが、彼女は僕に恋心を抱いていなかった。ある時、貿易商のミュウと出会い、ミュウのアシスタントとなり、すみれは小説が書けなくなった。

ミュウとすみれは仕事でフランスとイタリアに行き、その帰りに休暇でヴァカンスでギリシャのある島に立ち寄った。その島で、すみれは突然姿を消した。ミュウに頼まれた僕はギリシャの島へ行くが、すみれを見つけることはできなかった。そして、ある日、僕はフロッピーディスクからすみれが書いた2つの文章を発見する、、、

– あらすじとブックレビュー

『神の子どもたちはみな踊る』講談社、2000(短編小説集)

2000年に出版された村上春樹の短編集。阪神大震災と思われる地震が、すべての物語に登場、あるいは関連している。そして、地震は人の心を変えるもの、あるいは、そこから人の心の傷やトラウマが浮かび上がらせるものである。

– あらすじ

『アフターダーク』講談社、2004(長編小説)

村上春樹の12番目の長編小説で、真夜中の出来事を客観的な三人称視点で描いた実験的な18章の長編小説である。この小説の実質的な内容やプロットは中編小説のようであり、壮大な物語ではない。この小説は、7時間の間に起こった非常に長い真夜中の出来事を描いているだけである。短い会話や客観的な描写がたくさんあり、この小説は、長編小説としては短く、6~7時間の出来事の物語としては非常に長いと私は感じる。3人の少女(マリ、エリ、ドンリ)と、マリと夜の人々、エリと顔のない男、ドンリと白川の間で、記号や隠喩的な意味を交換し、シンクする物語である。各章は基本的に浅井マリ、浅井エリ、ドンリ、白川のエピソードで分けられており、それぞれのプロットは同時に進行し、それぞれのエピソードは直接的または間接的に現実の意味または隠喩的な意味で接続されている。それは、インターネット空間における断片的なつながりや情報のあり方を意味しているのかもしれない。

秋の深夜、渋谷のデニーズで、19歳のボーイッシュでウブな外国語大学の学生、浅井マリが分厚い本を読んでいた。姉の元同級生・高橋哲也が彼女を見つけ、テーブルを共にした。そして、ラブホテル「アルファヴィル」の支配人であるカオルから、何者かに暴行を受けて所持品を奪われた中国人売春婦の少女・ドンリを助けるために、中国語のできるマリは呼ばれ、ドンリの話を聞いた。

同じ頃、2ヶ月間眠っているマリの姉・浅井エリは、「顔のない男」によってテレビ画面の中の部屋に閉じ込められ、意味のない精神的な暴力を受けていた、、、

マリは、高橋、カオル、コオロギ、そしてバーテンダーという夜の人々と出会うことで成長していった。朝、マリは家に戻り、エリの部屋に向かい、、、

– あらすじとブックレビュー

『女のいない男たち』村上春樹、文藝春秋、2014(短編小説集)

– 「ドライブ・マイ・カー」ブックレビュー

– 「ドライブ・マイ・カー」要約

– 「ドライブ・マイ・カー」研究ノート

『騎士団長殺し』村上春樹、新潮社、2017(長編小説)

– ブック・レビュー

『一人称単数』村上春樹、文藝春秋、2020(中編小説集)

「一人称単数」は村上春樹の2020年に出版された8つの短編小説から成る短編集です。それぞれの物語の記述はシンプルな「僕」と「私」といった一人称単数で書かれます。それによって物語がリアルな個人体験によって描かれているように見える効果があり、物語の中の不思議な出来事に一定のリアリティを持たせています。

– 要約

『街とその不確かな壁』新潮社、2023年(長編小説)

タイトルは、1980年に雑誌「文学界」で発表された「都市とその不確かな壁」と同じである。全661ページの70の短編で構成した3章構成の長編小説。

同じタイトルの中篇小説は、150枚の原稿で、1980年に出版された。しかし、村上は、この小説は未完成で未熟であると断じた。そこで、その小説をもとにした代表作のひとつ『ハードボイルド・ワンダーランドと世界の終り』を書き上げた。しかし、その小説を最近になって書き直すことを決意し、2020年の初めからこの小説の執筆を開始した。Covid-19のパンデミックのため、家に閉じこもり、3年間ほど執筆に没頭した。第一稿は第一章のみで、第一章の完成後、続きの物語を書く必要があると考えたという。コヴィド19のパンデミックが物語に影響を与えたかどうかは、村上にはわからないし、知ることもできない。しかし、ある種の意味というか、そういうものはあるのだろう。(あとがき)

21世紀の傑作であり、哲学的で幻想的で壮大なこの物語は、コモンセンスと良心、生きる意味と無くなる意味、愛とその慈しみ、真理と理想を所有しており、私が読みたかったものです。そこには、図書館、本、読書、書くこと、物語、文学に対する村上さんの愛と夢が溢れています。

– あらすじとブックレヴュー

– 研究ノート

村上春樹の原作の映画

– あらすじとレビュー「トニー滝谷」2005年

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